このポスターを夜陰に紛れて貼って歩くが、BUNTENが防虫吟強制市場介入班に捕まり、芋蔓式にフリーメイソン日本支部一斉検挙wはてな高齢者マーク(C)finalvent

パンケーキを毒味する

近所のシネコンにかかっていたので見る。

ネットのあちこちで見る前評判から、党派性というか俺好みのアクの強い作品を期待して出かけたのだが、正直言ってそっちの期待は外れたというか肩すかしを食った。

題材は管総理に取ってあるものの、菅批判が主題の作品ではない。あえて主題をあげるとすれば、民主主義を守ろうというのが本作のメッセージと言えるだろうか。これはもう、過激派の俺とは正反対とも言えるちょー穏健派の主張だ。

噛み合っていない審議がニュースではがっぷり四つの論戦に聞こえるように編集されるという舞台裏というか種明かしが「国会パブリックビューイング」の上西充子先生で狂喜する俺。ファンなんだよ。

しんぶん赤旗日曜版の編集部にカメラを入れての仕込みには手に汗握ったが、考えてみれば、商業紙がそろいもそろって寝ているから「赤旗」しかスクープ(そのネタ元は政治資金報告のような公開済みの情報)ができないという話の先に、「赤旗」取材があるわけだ。もっとも私の子供の頃、までさかのぼらなくても、20代(80年代?)あたりまでであれば商業紙も普通にやっていたことのように感じられる。

現代の報道統制を大日本帝国時代のそれと比べているもの興味深い。有名な「「竹槍では間に合わぬ、飛行機だ。海洋航空機だ」の見出しがスクリーンに躍った時、そう、これが弾圧された紙面、と小躍りしたが、悲しいかな現代の商業紙幹部は首相から鼻薬もといパンケーキを奢られているので本当のことを書く気概はない。

小選挙区下の低投票率、俺の一票でどうなるものではない、と諦めるのは楽だが先は真っ暗。灯りをともすのは自分で考えた一票の集まりだろうか。政治がわかりにくいとお嘆きの諸兄にも、ああしろこうしろという行動ガイドではなく、自分で考えるヒント満載のこの作品をおすすめしたい。