このポスターを夜陰に紛れて貼って歩くが、BUNTENが防虫吟強制市場介入班に捕まり、芋蔓式にフリーメイソン日本支部一斉検挙wはてな高齢者マーク(C)finalvent

裁判傍聴(原告証人尋問編)

7月13日の続き。

新・生存権裁判 八月四日の原告側証人(原告の人5人)の証人尋問を傍聴してきました。

どの人も生活保護を受けるに至った事情がある中、原告側の弁護士さんの質問に一生懸命答えていたのが印象的です。

一人目の方は、引き下げ前から節約生活をしていたが余裕はなかったことを訴え「国は物価が下がったと言うが、生活実感では物価は上がっている。(物価下落の筆頭とされる)パソコンは持っていないし、テレビは10年以上前に夫の友人から貰い受けたもの。洗濯機は孫から譲り受けた物で、冷蔵庫は友人のお下がりで、20年くらい前にもらったもの。電化製品は保護を受け始めてからは買えていない。エアコンは平成24年社協からお金を借りて買った。」とおっしゃり、「なぜこんなに貧乏人を苦しめるのか」と、国の基準引き下げを告発しました。

二人目の方は、幼稚園頃に進行性の「四肢痙(けん)性麻痺」を発症。障害を持っていてもできる技能を身につけたが仕事はなく、作業所で働きながら生活保護を受給しはじめたこと、日常生活に支障がある障害なので節約にも限界があることなどを述べられ、買い換えざるを得なかった家電品は知り合いの電気屋に分割払いにしてもらったことなどを述べ、「自由になるお金はない」とし、「私たちも人間ですから、生きていていいんだと思える社会になるような判決を望みます。」と訴えられました。

三人目の方は、半額弁当などで生活費の節約に努めていると言った後、新品で入手した家電品はないこと。たとえばエアコンが中古、冷蔵庫・ストーブ・洗濯機・ジャー・テレビが貰い物だと言い、テレビは真ん中に大きな線が入っていて見づらいがお金がなくて買い換えられない。もし壊れたら貰えるまで待つしかないとおっしゃいました。洋服を買ったこともなく、女性ですが男物を貰うことがあるそうです。原告になったのは、「生活保護費を上げてくれと言いたいからではない。下げないで下さい(と言いたいのです)。」とのことでした

四人目の方は、最近亡くなった夫の、築66年の持ち家暮らし。元居間は床がトランポリンのように凹んでいる。夏はクーラーと扇風機を使う。クーラーは20年以上前の物で効かないが使わざるを得ないと語ります。冬は石油ストーブを使っていたが油を運べないのでガスヒーターに変えた。ガス代が高いので連続運転はしないですぐ消すとのこと。二人から一人になっても生活費は大きくは変わらないのに保護費は目立って下がるので困ると訴えておられました。

五人目の方も、日常の節約の工夫を述べておられましたが、原告側弁護人の「保護費は余るか」の問いに、蓄えは特別定額給付金の十万円しかないと答え、服は古いものばかりだし、家電も買い換えていない。蓄えはしたいができない、と述べておられました。「物価は実感としては上がっている。価格が変わっていないものも量目が減っている。」と、その上でこんなに「長生きするって辛いですよ。貧乏人の首を絞められる。」「歳取ってからもこんな惨めな思いをしなければならないと思うと、みじめで悲しい」(裁判官へ)「(あなたがたの)両親などが私のような生活をしなければならないとしたらどうか(考えて見てください)」と訴えました。

各人ごとに行われた国の反対尋問は、誰々さんの場合減額は月に幾らで日割りにするといくらですね、と確認を迫る形だったが、記憶になかったりして答えられない人が多かった。しかし5年以上前だと領収書も保管していないのが普通だし細かく憶えていない方が普通というべきだろう。そこをあえて聞くのだから、憶えてもいないような話なら却下とか、訴えには理由がなさそうとか言いそうな気配を感じる。しかしながら、言わせてもらえば引き下げ前の保護費のレベル自体が不当に低いのであって、超節約が超々節約になった証拠を出せと言うがごとき言いぐさの方が間違っているように思われる。

証人の一人に対しては、証人は明らかに聞き取れていないと思われるのに強引に尋問を続けたのも被告側代理人のマイナスポイントだろう。これは原告側代理人から異義が出され、代わって質問を適切にやり直していた。