EU労働法政策雑記帳2006年8月25日 (金) 発達障害者の就労支援施策
この記事をよく読むと、(世間で広く「ニート」と言われている人も含む)発達障害者に対して、適切な就労支援をするという話のようでもあります。
それは承知しております。ですから昨日のエントリでは
記事本文は、ニートの中に発達障害者もいるのでニーズに合わせて支援を分けよう、的な流れ
である、と断わってから見出しの問題にツッコんでおるのでして。(景気対策の有効性とか必要性とかが指摘されていない点は私的には多いに不満だが、それは厚生労働省という組織の出す対策の限界として黙過する。←してねーけど。)
職業能力開発局キャリア形成支援室所管のニート対策の本流の話として理解するのが適切であるのかどうか、即断しない方がいいでしょう。
えっと、これなんですが、誰かそのように理解した人がいらっしゃると考えておられるのでしょうか?
私の場合、今回の件に関する理解は基本的に田中先生と同じで
いってみれば「ニート」を社会的に(間違って)注目を集めさせて、その「ニート」の社会的関心を梃子に、
おかしな見出しで記事を売ろうとしたり、施策を推し進めようとしたりしている悪しき事例であるという認識です。
私は
キャリア形成施策の観点から既に行われているニート対策の施設を利用する形で、発達障害者雇用対策を進めていこうと考えることは、行政の効率的推進という観点からすると必ずしもおかしなことでは
ない、と考えてもよい、という点には同意しますが、今回のは全体の筋が悪すぎるのではないでしょうか。
発達障害者については、ただでさえ意欲がない(そう思われているケースで実際にないのは能力)とかなんとか色々と誤解を受けやすい存在であるのに、それを、「働いたら負けかなと思っている」で一躍有名になったニート概念(つか、概念と言えるほどの実態があるのか(^_^;)?)と結びつけて語って良いものか。たとえ、発達障害者支援という善き目的のためであっても、生まれる誤解というか副作用の大きさを考えたらやめといたほうがいーんじゃないのというかなんというか。
何にせよ、皆さん、あまり思いこみだけであれこれ喋るとまずいかも知れませんよ
実は既に手遅れかもしれません。(^_^;)
以下は昨日のあなたの書き込みから。
「その場の空気が読めず、じっとしている」(20歳女性)なんてのまで障害者扱いされたんではたまらん
次に、元祖「もうダメポ」コメント欄のITOK氏(←合ってますか?)の発言より。
軽度発達障害フォーラム PDD定義・判断基準 自閉症>DSM-Ⅳ
http://www.mdd-forum.net/pdd_teigi09.htm
といったものもありますし。
「場の空気が読めない」のも脳の機能障害により他人の仕草や表情の変化から意味を取ることが出来ない(理解できない)ということです。
発達障害というのは、このように、誤解されやすいという点が特にやっかいな障害なわけでして、重ねて申し上げますと、発達障害者はその能力の欠如を意欲の欠如と受け取られがちなことを考えれば、「働いたら負けかなと思っている」で一躍有名になったニートと、あえて組み合わせて記事にしたり施策を売り込んだりすることには問題がありすぎると言わざるを得ないのではないかと。m(_@_;)m