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用語混乱

校長日記・・学校おやぢつぶYaKi 2007年09月09日 先天的でも後天的でも、克服しなくては

おやぢの心の中には「先天的なものは直らない」「後天的なものは直る可能性が高い」という気持ちがあったのだ。

うーみゅ、こないだの「フィネアス・ゲージ」(コメント欄ではリンクなし。)、見てくれたのかなぁ。

あれを調べれば、後天的でかつ治すのは現段階ではほぼ不可能レベルの障害が存在する、ということはすぐにわかるだろうと思ったのだが。



その前に先天後天という生まれつきかどうかを表わす言葉がなぜ↑のような理解になるのかよくわからない。躾の問題ならしつけ直せば治る、という意味なのだろうかと推測するが、いずれにしても病気ないし障害の先天後天と治癒の可能性は全く独立した問題であってリンクしていないわけで、そういう基本的なことが共有されていないのであるから話がどこまで行っても食い違うのも無理のない話である。orz



ついでに、高機能という言葉もよく誤解されるのであるが、いわゆる知的障害がないといった意味であること(しかも知的障害の有無は今のところ計算だの記憶だのでしか測らない極めて狭い概念であり、これらの能力を統合して用いる脳の最高度の機能は知能検査では測らない、ないし測れない。)は、初歩の研修あたりでも真っ先に説明されるはずだと思うのだが。

 先天的だから変わらないから特別な待遇を望むあるいは特別な待遇に置いて障害を放置するのか。

 あるいは、先天的であれ後天的であれ、問題行動の軽減を目指す指導を構築していくのか。

これもよくわからない。目の見えない人のために点字ブロックを用意し、耳の聞こえない人と手話ないし筆談で話すのは私の理解では"特別な待遇を与えて障害そのものは放置する"ことだと思うが、そのことはおやぢさんの中ではどのような理解になっているのだろうか。

発達障害系で例をあげると、自閉症の本質的な困難、一つ分かりやすく例をあげれば空気読めないことは治らないと言われている。自閉症者に空気読むことを求めるのではなく、空気を伝えるないし知らせてやるといった"特別扱い"をすれば、空気が読めないことからくる問題行動は減るのではないかと思うが、それはおやぢさんの言う「問題行動の軽減を目指す指導」に含めてもらえるのだろうか。(この「特別扱い」では、おおっぴらに言えない「空気」、たとえばサービス残業などの違法行為が褒められることを伝えるわけにはいかないとかの問題はありうるがばっさり略。\(^o^;)/)

もっと言うと、この、特別待遇(つか別扱い)と問題行動軽減を対立的に捉える見方は、どうして生まれたのだろうか。



盲人に視覚障害の克服、すなわち目で見ることを強要したりする人はいないと思うが、おやぢさんは自閉症についてだけは自閉症そのものや感覚異常とか(以前書いたサングラスうんぬん参照)の「克服」を求めてもよいとお考えのように見える。なぜそういう考えになるのだろうか。

一時期、聾者の手話を禁じて口話(唇を読んで相手の発言を理解し、声で喋る。)を強要したことがあったと言う。しかし口話は聞こえる人には便利であっても聞こえない人には負担が大きく、かなり頭のいい人でも厳しい訓練に耐えてその能力を使い尽くすことなしにはきれいに口を読みまた健聴者のように話すことができるようになることはなかったという。(しかも、そこまでやってもなお、後ろからの呼びかけには応えられないし電話も取れない。m(_@_;)m 自閉症の人に対する社会性についての"訓練"についてもおそらく同じような"穴"ないし限界があると憶測する。)



聾者の視力、盲者の聴力は(脳の情報処理能力を除いた感覚器の性能で見れば)障害のない人より良いとは限らない。しかし障害者にとってはある意味「比較優位」ではあろうし、健常者に合わせることを強制されることさえなければ他の能力とともに生産活動に生かすことも可能になるだろう。残存能力を使っての生活やコミュニケーションをサポートするのが障害のない人にとって耐えがたい負担になるなら考え直す余地があるかもしれないが、そうでないならばできるだけ残存能力で楽に生きていけるようなサポート体制を作っておく方が、生産に参加してもらったり福祉にかかる費用を節約できたりと何かとお得になるだろう。そしてこれは自閉症者についても同じ事情があるのではなかろうか。特に、よく言われる構造化だの視覚支援だのは、健常者にとってもあれば便利というぐらいのもので、特別扱いとして問題視すべきものではないように思うのだが…。

見えない期間が長いと脳がそれに適応しちゃって視覚野が聴覚や触覚などに転用されるので目が使えるようになっても少なくともすぐには見えないとか、自閉で損なわれるのは脳の最高度の機能であって技 術で解決ができたとしてもかなり先になるだろうとか、有名な高機能自閉者の幾人かが、治ると言われても自閉のままでいたいと述べていることなど、色々言いたいことは残るが大胆に略。