このポスターを夜陰に紛れて貼って歩くが、BUNTENが防虫吟強制市場介入班に捕まり、芋蔓式にフリーメイソン日本支部一斉検挙wはてな高齢者マーク(C)finalvent

雨宮処凜×飯田泰之「脱貧困の経済学」(自由国民社)

本やタウン アマゾン(法人税収の関係でアマゾンは推奨しておりません。)本体1429円

帯の煽りが「財源?捻出できますけど何か?」と、いきなり2ちゃんねる風で好感が持てる。

反経済学な方向に走りがちと思われる反貧困運動の、カリスマの一人、雨宮処凜氏にやり手の飯田泰之先生が経済学の考え方を売り込む、という対談形式で書かれた、一風変わった入門書。

「お金持ちを減税したから」(090ページ)「日本の財政がここまでひどくなった。」(089ページ)とか、「再分配する前」と「「再分配の後」の不平等度がほとんど変わらない」(059ページ)など、一般に思われていることをひっくり返すデータを満載し、「お金を持っている人から取って貧乏人に」配るようにするだけで「追加的な財源は一円もかけずに格差を是正する」(094ページ)ことができる、と、たたみかける飯田先生の手腕は見事である。

一方、現状維持のために必要な2%成長でさえ「改革なくして成長なし」といわれた「改革によってめちゃくちゃになったので、「成長のためにやったことで破壊された」という」「すごく大きい」「思い」(190ページ)ないし不信感を乗り越えるのはなかなか難しそうであることも見て取れる。(P.205〜206他も)



この手の感情的なしこりは、ある程度まで説得したらあとは実績で本当であることを示して解消してもらうしかないのであるが、本当の意味での金持ちの権力は最強なので、必要な期間だけ成長を続けることはなかなか難しいのだった。orz

…失礼。ついいつものクセが。(^_^;)

まあ、色々ありますが、対談相手雨宮氏であるだけに、経済学をうさんくさく思っている人や、エコノミストなんてバカばっかり、とか思っていた人でも、少なくとも一部は目から鱗が落ちる経験ができることは請け合いの、今までにないタイプのおすすめ本といえるでしょう。

おまけ:校正その他

P.228 L.5「人の能力や適正は」→「人の能力や適性は」

P.236 L.6「年金って、インフレだと上がるのにデフレだと下がらない」法改正の上デフレスライド済のはず。

おまけ2:雑感

日本的世間様の重圧の一例。

P.142 「家がなくて所持金がなかったら、法的には生活保護は絶対通る」法的には通るとしてもその法の活用ができない場合について。最後の「おそらく適当にあしらわれて終わりだ。かといって福祉事務所で暴れるわけにもいかない」に注意。実際にどのようにあしらわれるかについての例

P.091補講2段目後ろから5行目「日本には厳然たる逆進税が存在します」このへんは中流以下層の重税感の一因かもしれません。