自転車に乗っていて、コケた。
俺が飛び出しかけたところへ車が来たので止まろうとしたが、安定を失ってコケた。
車の方に優先権がある状況だったので、全面的に俺が悪い。
倒れそうになった時、あ、これは体制を立て直すのは無理だな、と思ったので素直に転んだ。
痛みを感じたところはあったが、衣服が破れているとかはなさそうだったのでそのまま帰った。
帰って真っ先に点検したのは、腰に装着してあるスマホに異常はないか、背負っていたリュックの中身の点検、そして衣服に破れがないかだった。スマホが壊れていればただでは済まないし、服が破れていて買い替えるとか繕うとかいう話は面倒だからだ。
幸い、どこも無傷だったが、ももひきの膝小僧に血が付いていた。
貧乏というのは悲しいものだ。わが身より先に持ちものの心配をするのだから。