岩田規久男先生の「なぜデフレを放置してはいけないか」。大筋同意なのは前提だが、異論もいっぱいある。今日はその中からいっこ取り出す。
P.51~52にかけて「整理解雇の4要件」が厳しすぎるとして疑問を呈しているのだが、俺に言わせるとあの判例は、無茶で恣意的な解雇がまかり通って積み重なってきたことの反映だと言うべきである。
大企業では戦闘的な労組を潰すための指名解雇が横行してきたし、中小零細に多いのはいわゆるブラック企業がパワハラに応じない従業員を解雇するといった類。
この惨状から労働側が一歩一歩逃げ道を塞いだ成果が「整理解雇の4要件」であるから、資本家サイドから見れば厳しくなるのもやむを得ないと言うべきだろう。
官邸方面から解雇の金銭解決が言われているが、(1)現行制度下でも金銭解決の事例は多い。(2)金銭解決が法制化されると第一組合あるいは組合幹部を指名解雇する不当労働行為がやりやすくなる懸念が否定できない。、ので、俺は金銭解決の法制化には反対を表明しておきたい。