このポスターを夜陰に紛れて貼って歩くが、BUNTENが防虫吟強制市場介入班に捕まり、芋蔓式にフリーメイソン日本支部一斉検挙wはてな高齢者マーク(C)finalvent

戦争の経済学

ポール・ポースト/山形浩生訳/バジリコ Amazon(いつもだったらもっとオンライン書店へのリンク張るのだけれど、疲れているので略。orz)

マニアックな分野をネタにした経済学の入門書。この一言で終わりの気もするが、この本を通読させられたのは「逆の意味で頭が割れるように痛い書評」の元ネタのせいなので、石川康宏先生には書籍代を請求したい気分である。orz

この本が「アメリカの利益だけ検討」(書評)しているかどうかはともかく、アメリカがネタになっているパートが多いのは確かだ。でも、著者がアメリカ人で、アメリカの情報公開度が高く、かつデータの連続性が確保されていたら、そりゃネタにはしやすいでしょ、という話のようにも見える。訳者の山形氏とはたぶん違って日本国憲法9条のような立場の安全保障はあり得ると私は思っているので、軍隊の存在を前提にした議論にイデオロギー的な問題がないとは言わないが、それにしても、「アメリカの軍事力によって破壊される側の「経済」がまるで登場しない」とか書かれると、直接対決した相手方を分析した例はないとしても、アメリカがアルカイダに戦闘技術を教えた過去に触れたり(P.311)NPTの理念を蹴っ飛ばしていることをチクリと刺したり(P.389)していたりするなど必ずしもアメリカ万歳ではない内容なので、石川氏が斜め読みしかしていないのに書評を書いてしまった疑いは避けられなくなる印象である。orz

そして何より重要なポイントは、この本のような発想は、戦争についてイデオロギーではなく実利という枠組みで考えるための材料の一つを提供できるという点に求められよう。経済理論はアメリカの利益のためだけにしか使えないものではない。たとえばPKOについての章(P.295〜)にある、平和維持活動が公共財だという考えが正しいなら、日本国憲法9条と、日本国内の適当な反対派の言論を援用して他国のPKOにフリーライドするのが日本としては最もお得な対応のはずなのだ。\(^o^;)/

といっても、ヒトもカネも出さない言い訳にはできないほど反対派が少数派になってしまったのが難点なのであるが。orz

その意味でも、言論の多様性が豊かである方が何かとお得なのである。