今週の「赤旗日曜版」に那須正幹先生が「きみたちに伝えたい戦争のこと」(26面)の中で
戦後新しい憲法ができて、日本はもう、絶対に戦争をしないし、軍隊も持たないと聞いてすごくうれしくなりました。
これは私だけでなく、当時の日本人全員が感じたことではないでしょうか。もう、戦争はこりごりだし、自由にものの言えない世の中はまっぴらだと思ったからです。
と書いておられた。
これには、攻撃を受けなかった占領地や植民地から日本本土に速やかに帰国できた人など一部例外もあろうかと思うが、戦争世代の話を聞いたりしていると、おそらくそうだっただろうなと思う。
にもかかわらず(?)1960年代の少年誌では戦記物が大人気だった(同31面、吉田裕氏インタビュー)のも事実で、これはリアルタイムで体験したというか読んだ。それらにはあまり悲惨さを感じなかったのは記事の通りである。
戦争が当たり前だった時代から戦争のない(?)時代への変化は、若者が戦争を知らないことが歌になるなどのネタとなったが、日本が戦争に明け暮れた時代と戦争しないで済んだ時代の年限がほぼ同じになった。
そして、戦争を記憶している世代は少数派となり、終戦までに成人していた人となるともうわずかしかいない。日本社会としての戦争の記憶が薄れていくのはある意味仕方ないことではある。
俺の世代は空気のように平和を享受できたからそれでいいのかもしれないが、俺の子孫(いあ俺個人の孫は望めないが)や隣人たちの子孫が辛酸をなめるとしたら、それはやはり想像するだけで耐えがたいものがあるわけで。
しかしながら、戦争を知らない世代の俺が体験として戦争を伝えることはできないわけで、ではどうすべきかというと、学んでくれとしかいいようがない。
それも、きちんとした先生の書いた本(何が/誰がそうなのかという話は別途生じるが置く。)をそれなりの量をこなして読むとかが必要である。
ネットでも、探せばそれなりの資料はあるのだが、ただ検索しただけだとろくでもない資料が上位にランクインされることも多いし、基礎が身についていないと真贋の見分けがつかないから頼り切るのは危険である。
昔買った「日本国憲法資料集」(第2版)も既に30年近く前の本である。俺も歳を取るわけだよなぁ。