(このエントリは違和感の吐露なのでオチはありません。)
Freezing Point 2006-02-14■「ニート」という単語について、「功」と「罪」をあらためて検討するべきではないか。
経由
論点ひきこもり 田中俊英さんインタビューNo.2―ニート関連委託事業について内
ニート状態遷移表(画像の名称はBUNTENによる)
まずは上記の表を見てから、本田氏のニート図(「ニート」って言うな P.49)をご覧いただきたい。(本をお持ちでなければ、類例をご参照下さい。)
ニート状態遷移表は、広義ニートの社会的な活性に着目したものであるが、一見して明らかなように、本田氏のニート図では最もコアな部分に位置づけられている「犯罪親和層」を、この状態遷移表上に位置づけるのは困難である。
「犯罪親和層」(なんかヤな呼び方なので括弧に入れる(^_^;))は、本田氏の認識によれば「仲間とつるんで町を闊歩」(「ニート」って言うな P.63)ような人々であり、社会的な活性は決して低くはない。就労のみを基準に判断する限り、「ニート」と同様の場所に位置づけざるを得ないのだが、この層のための支援は、いわゆるひきこもりのような社会的に不活発な層への支援とはかなり違ってくることが予想される。
なお、本田氏のニート図では、いわゆるひきこもりも就労意欲が最も低い層と位置づけられているが、引きこもりの中には、就労を望んでいるが行動を起こせない、いわば就労意欲が空回りしている層があるのではないか、という意味でも適切さを欠くように思われる。
本田氏はこの両者ともに何らかの支援を必要としている層だと認識しているようには見受けられる(言い換えれば、彼女が善意の人なのは間違いないと思っています)が、残念ながら私の見るところ、彼女の提案する「教育の職業的意義」を軸とした支援策は、リフレによって何らかの形で就労できると見込まれる層を考察の対象から除いた場合、空回り層の一部を除けばいずれにも適合しないように感じられる。