Baatarismの溜息通信 2005-11-20 民主党がリフレ政策に冷淡な理由
経由?
インタラクティヴ読書ノート別館の別館 2005-11-11のコメント欄でdojin氏 (2005/11/18 13:37)が推測する左翼の問題意識、あるいは左翼がリフレに冷淡な理由。
他:svnseeds’ ghoti! 2005-11-18■大変のコメント欄も参照。
リフレで景気よくなっても、また10年後とかに何らかの理由で景気悪くなったらどうせまた弱いものから切り捨てだろ?そういう社会構造そのものが気にいらねぇのに、リフレ派はそういうことについては何もいわねぇ。
えー、ヘタレ左翼のわたくしに左翼を代表することができる理由などありませんし何よりヘタレですから話半分に聞いていただきたいのですが、
切り捨てられる人が出てくるような、「そういう社会構造そのものが気に入らねぇ」と確かに思っています。しかし、弱者の痛みのたとえば80%をリフレで和らげられる、あるいは弱者の80%をリフレで救えることがわかっているとするならば、とりあえずリフレを採用しないでおく、ないしリフレに反対するべき理由はありません。残りの20%の問題は問題として残りますが、それは残りの問題としてきっちり対処すればよいことだしそうすべきだと思います。
で、当面のリフレを実現するためには、貧者に与える麻薬(革命への情熱を麻痺させるもの、ほどの意味。)としてリフレが必要だと考えている人とすら共同戦線を張らなくてはなりません。少なくとも日本では、リフレ派は少数派であって、呉越同舟的共同なしにはリフレの実現はおぼつかないからです。
そうした状況下で、社会構造が気に入らないうんぬんということを言い立てるのは呉越同"舟"を沈めることになりかねません。ですからこんな場末の目立たないところでたまに言ったりすることはあるものの、読者の多いスペースではほとんど口に出すことはありません。
言い換えれば、自称「貧乏から来る左翼」である私自身が"社会構造についてあえて何も言わない"モードに入っています。
他の左翼な方からはこれは弱腰に見えるかもしれませんが、リフレだけでは残り20%(てきとう)の問題を解決できないことも私の目には明らかなので、富裕層が気前よく福祉をばらまくほどの好景気の時にこそ私は声高に革命の必要性を説くでしょう。それをもって革命に対する私の低層貞操の証明にしたいと思います。m(_@_)m
おまけの分配問題
下手をすればマクロの問題と同じほど分配の問題が重要になるのは、経済大国の一つである米国の問題(貧富の差が大きすぎるためのハリケーン大被害etc.)などで明らかです。(再分配をやみくもに強めればいい、あるいは再分配はなんでも正義だ、というわけではない。たとえば再分配を強めすぎても経済発展が止まる。)
日本がリフレ策で景気を改善しえても、アメリカ的な勝ち組総取り社会を目指す方向を改めないならば、いずれ日本でもあの種の問題が噴出して国内が本格的に分裂・混乱することが避けられなくなるでしょう。私は暴力革命は望まないので、なるべく早くリフレ+高度成長期程度の再分配という軌道に乗せたいものです。